全国漢文教育学会
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「漢字検定に思う」

全国漢文教育学会会長 石川忠久

 
 

 昨今、漢字検定を盛大に行っている協会が、不当な利益を貪っていたとして、当局の摘発を受けた事件ほど、人を驚かせたことはないであろう。もしこれが事実とすれば、教育・文化を食い物にする悪辣な行為と言わざるを得ない。

 心配なのは、この事件によって、真面目に漢字の力を身に付けようとする人たちが、愛想尽かしをすることだ。聞けば250万もの受験生がいるそうで、その「潜在能力」はたいへんなものだ。願うらくは、 せっかくのこの潜在力を曲げることなく、更に発展せしむるに阻害の無きことを。

 本当は、漢字検定はわが学会こそ事に当るに適応しいと思うのだが。それは今は措き、実現の可能性という観点から、「漢文能力検定」を始めたらどうだろう。これこそわが学会以外に適任は無い。

 思うに、現行の国語の免許に課せられた漢文の単位はいかにも少ない。とてもこれだけだは漢文の力を身につけることはできない。そもそも、昔は国・漢・英・数は4大教科の1つであった。内容も豊富で、みっちり勉強しなければ力はつかないし、まして教えることなどできるわけがない。たとえ総合国語の中での分量が多くなくとも、教える方の力は当然要求される。当り前の話である。今のままでは、せっかくの漢文の教材を、お茶を濁すか、悪くすると飛ばしてしまうようになるのではないか。

 今、本学会では、夏休みを利用して2回、漢文の研修会を催している。いつも定員いっぱいの参加を得て、ことに若い国語教員の方たちに喜ばれていると自負している。できればこれを拡大し、漢文の力を検定するような方向へもっていけたら、と思う。漢文の2級なり1級なりの認定を受けた教員を、各学校に1人は配置し、総合国語の中に漢文や、選択古典の中の漢文を主に担当するようにする。

 実際にとりかかるには、いろいろ越えねばならぬハードルもあるが、何とか実現に向けて力を合わせたいものだ。

会誌 第48号「巻頭言」より